熱中症にご用心
- 和来堂 田畑
- 8月3日
- 読了時間: 3分
こんにちは。灼熱な日々が続きますね。ショート動画が流行りの昨今、時代に逆行した長い文章を書いてますが、興味があればご覧ください。
連日熱中症アラートが出され、38度あたりまで簡単に気温が上がる毎日で、元気でいることがなかなか難しいと思います。とはいえ一日中クーラーの中にいるのも、それはそれでしんどくなりますよね。
実は当院にも熱中症の方は結構数来院されます。そのほとんどが自分が熱中症になっている自覚がない方です。暑い日に気分が悪くなって倒れこむ、というのが熱中症だと思っている人が多いのは、医療者としてはちょっと驚くところなのですが、バタンと倒れる前に大体の方が予兆がでています。ほとんどの場合、その予兆の段階で対処できると、悪化する前に落ち着けることが可能です。
多い症状が頭痛、ふらつき、倦怠感、不眠、食欲不振、下痢、腹痛、引きつり(あしがつる)などがあげられますが、普段からこれらの症状がある方は、いつものしんどさだと思い、熱中症だとは思わないことがあります。
これは僕の臨床経験からくる持論ですが、熱中症の症状の初めは、もともと体調が悪い場所に出てくることが多いです。たとえば普段から頭痛持ちだったり肩こりがひどい人は頭痛、胃腸が弱い方なら食欲不振や吐き気などです。熱中症の場合、徐々に体調が悪くなる方も多いのですが、一番簡単な見分け方は、一晩寝て、翌朝も症状が継続しているかどうかです。もし軽い頭痛があったとして、一晩休んで翌日になっても痛みが継続している場合は熱中症を疑ってみるべきです。その時は経口補水液やスポーツ飲料を飲まれてみることをお勧めします。その状態は水やお茶を飲んでもあまり改善しません。
ここで大切なことは、痛みがあれば痛み止めを飲んだりしますが、熱中症の頭痛は痛み止めがあまり効かないということです。体から水分やミネラルなど、必要なものが不足して症状が出ている場合は、その足りないものを補わないと改善が難しいです。だから経口補水液などを飲んで、足りなくなったものを補った結果、症状が落ち着くというわけです。
では、熱中症に鍼灸は何をするか。いろいろあるのですが、大きく二つです。
1つは身体にこもった熱を出すこと。もう1つは胃腸の調子を元気にすることです。
東洋医学は身体の熱や冷えなどの状態を分析して対処していく医学です。この熱は体温とはちょっと違って、身体の外から熱が入った、とか、身体が熱を制御できなくて熱がたまったなどという事になります。この身体の熱を放出するように持っていき、さらに胃腸を元気にすることで水分や食べ物を胃に入れても苦しくない状態を作ることによって、消化吸収を助けて体力の回復を図る、というわけです。そのような方法が鍼灸にはあります。
よく熱中症になってしまった後、だるさや不調がなかなか治らない、と聞くことがあります。その状態は先ほどの胃腸が弱ったままの事が非常に多いです。
こんなに暑い日ばかりなのに、温かいものを飲め!とまではさすがに言えませんが、まず空きっ腹に冷たい飲み物をごくごく飲むのは考えて頂きたいです。どのように胃腸の調子を良好にしておけるかが、この夏を乗り切るキーポイントとなると思います。
和来堂はり灸治療院
田畑

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