身体と梅雨の関係
- 和来堂 田畑
- 6月16日
- 読了時間: 4分
和来堂の田畑です。
梅雨らしくなってきました。いかがお過ごしでしょうか。
数日前から頭痛、倦怠感、めまい、むくみ、胃腸不良、便秘が増えています。いよいよ今年も来たなという感じです。梅雨の到来です。
身体の調子は、環境によって大きく左右されます。特に高温多湿な日本の気候では、湿気の影響で体調を崩す方も少なくありません。かつては、天気が崩れる前に「膝が痛い」と訴える年配の方の話がよく聞かれましたが、実際には若い方でも天気や湿度、気圧の変化によって体調が変化することがあります。元気な方はあまり気にならないかもしれませんが、体調の優れない方にとってはかなりこたえることもあります。
身体には「恒常性(ホメオスタシス)」と呼ばれる、一定の状態を保つための調整機能が備わっています。たとえば体温や脈拍、血圧などがその代表で、体温が下がれば脈拍を増やし、血流が悪くなれば血圧を上げるなどして、身体は常にバランスを保とうとします。しかし、湿気や気圧といった環境の変化がこの調整機能に影響を与えることで、不調が現れることがあります。
このような状態は「自律神経が乱れている」と表現されることが多いのですが、正確には「環境に適応しようと、自律神経が働いて調整している状態」とも言えます。普段とは違う環境に対応しようとする過程で、倦怠感や頭痛、めまいなど、さまざまな症状が出てくるのです。最近ではこのような状態を「気象病」と呼び、「気のせいではない」と社会的にも認知されるようになってきました。
ここで知っていただきたいのは、東洋医学ではこの「環境による身体への影響」を、はるか昔から理論立てて考えてきたということです。梅雨に限らず、東洋医学では四季折々の気候の変化が身体に影響を与えるとされ、鍼灸師や漢方の専門家はこうした理論を学び、それを診療に生かしています。
東洋医学では、環境からの影響を「外邪(がいじゃ)」と呼びます。たとえば湿気は「湿邪(しつじゃ)」、寒さは「寒邪(かんじゃ)」といった具合に分類されており、それぞれに応じた治療法や漢方薬、効果的な生薬が古くから研究されてきました。患者さんの症状がどの外邪にあたるのかを見極め、それに応じてツボや漢方処方を考えるのが、東洋医学的な治療の基本です。しかし残念ながら、こうした視点を持って治療を行う鍼灸師は、現代では少なくなってきています。
たとえば湿気による不調には、身体の「除湿」が必要です。これは、室内の除湿器やエアコンのドライ機能のように、身体の中にたまった余分な水分を外に排出するという考え方です。具体的には、汗・尿・便として水分を出すことが最も効果的です(他にも方法はありますが、日常的にはこの3つが中心になります)。東洋医学は魔法ではないため、身体の水分が一瞬でなくなるわけではありません。その排出を効率よく進めるために、鍼や漢方薬を使って身体の働きを整えていきます。
また、自分でできるセルフケアもあります。それは、「しっかりと水分を摂ること」と「無理のない範囲で汗をかくこと」です。体内の巡りをよくして余分な水分を出しやすくするためには、水分を控えるのではなく、むしろ適切に摂って流れをつくることが大切です。そして、軽く身体を動かして汗をかくことで、自然な排出が促されます。
湿気が原因の不調を感じる方は、東洋医学の考え方を取り入れた対策を試してみてください。現代の医学ではまだ解明されきれていない自然との関係性を、東洋医学は深く捉え、長い歴史の中で工夫してきた知恵があります。その知恵が、今を生きる私たちの身体にも役立つかもしれません。
水分はとればとれだけ良いわけではありませんが、現代人は水分を取らなさすぎの方が多いです。しかも自分では飲んでいるつもりでいます。コーヒー、牛乳、ジュース、みそ汁、スープなどはすべて食品として考えます。水分とは水やカフェインが含まれていないお茶などを指します。そう考えると意外と飲めていない人が多いのではないでしょうか?
飲んで出す。単純な事ですが、飲まないから出ないとも考えられます。普段から水分補給をしっかりして頂き、身体の余計な水分を外に出していただきたいです。そのためのフォローを鍼灸や漢方で行うのが東洋医学ができる病院や治療院です。
僕は鍼灸と、薬は処方できませんので東洋医学の知識でフォローさせて頂きます。
早く梅雨がおわりますように!
和来堂はり灸治療院 田畑
Comentarios